【要点解説/名著紹介】嫌われる勇気

ビジネス本

こんにちは!今回は言わずと知れた名著”嫌われる勇気”を紹介していきます。

この本は岸見一郎さんと古賀史健の共著による、アルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」を解説した書籍です。

ざっくり言えばアルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」を用いながら、ストーリー性を含ませ、哲学者(哲人)と若者の対話を通して、分かりやすく解説をしている本になります。

心理学と言われると難しそうな印象を受けますが、この本では対話型で話が進んでおり、尚且つそれぞれの主張に具体的なエピソードもついているのでとてもわかりやすく読みやすい一冊になっています。

そんな本書は現在世界中で愛されており2013年に刊行されてから現在までで国内累計300万部突破!全世界の発行部数では累計1000万部を突破しており、史上初の10年連続「年間ベストセラーランキング」トップ10入りまで果たしているのです。

さてそんな超人気作品には一体何が書かれているのか、どんな考え方を説いているのか。今回は重要な要点を絞ってわかりやすく解説していこうと思います。

是非最後までご覧ください。

アルフレッド・アドラーとは

アルフレッド・アドラー(Alfred Adler、アルフレート・アードラー、1870年2月7日- 1937年5月28日)は、オーストラリアの精神科医、精神分析学者、心理学者。ジークムント・フロイトおよびカール・グスタフ・ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。

初期の頃のフロイトとの関わりについて誤解があるが、アドラーはフロイトの共同研究者であり、1911年にはフロイトのグループとは完全に決別し、アドラー心理学(個人心理学)を創始した。

嫌われる勇気

トラウマを否定せよ

第一章はトラウマを否定せよというテーマから始まります。このテーマをさらにわかりやすくいうと”過去(トラウマ)は今の行動に全く影響を与えないもの”だと考え、人は誰でも今すぐ変われると言えます。

ここまではざっくりとしすぎていてわかりにくいですよね。では例をあげてみましょう。

好きな女の子に告白ができない男の子Aくんがいました。彼が告白できない原因は彼自身がネガティブで自分の容姿に自身が持てないところから来るものでした。

過去に容姿をいじられたり、過去の告白で容姿が理由に断られた経験が彼に”トラウマ”を植え付け、より一層ネガティブな方向に考えてしまい、ドンドン告白が億劫になってしまうのでした。

この過去にトラウマがあるから告白できないと考えることを”原因が過去にありその結果行動できない”ことから心理学用語で原因論といいます。

しかしアドラー心理学ではこのAくんが告白できないことは”過去のトラウマ”は一切関係がないと考えます。

つまりこの原因論を嘘で、間違っていると考えるのです。

ではアドラー心理学ではどうやってこの事象を捉えているのでしょうか。

アドラー心理学は”目的がありその結果行動しないように制限をかけている”と考えるのです。これを心理学用語で目的論といいます。

Aくんの例に沿って言えばAくんは告白に失敗し、振られて傷つくことを恐れているというのです。

そしてその振られたくないという目的を果たす為に告白しないという選択をとっている。行動しない理由を自ら作っていると、アドラー心理学ではそう考えます。

他にも例を考えてみましょう。

仕事でミスを恐れて行動が弱気になってしまうのは、過去にミスをした経験からではなく次にミスをして叱られたり、評価を落とすのが怖いから。

勉強をしなきゃいけないのにしないのは過去に勉強ができなかった経験からではなく遊んだりダラダラしたいという目的があるからだと言えます。もしくは勉強したのに点数が取れない、そんな自己嫌悪に陥るのを避けるためかもしれません。

告白の結果は自分ではどうすることもできないことです。なので告白をするということで一歩変化することができた自分の成長に目を向けなくてはならないのです。

全ての悩みは対人関係

次にアドラーが主張するテーマは”全ての悩みは対人関係にある”ということです。

ここでも多くの例を挙げて考えていきましょう。

20代の男性Bくんがいるとします。彼は一般的な同年代の男性と同じような悩みを抱えています。

身長が低いこと、容姿が良くないこと、頭が悪いこと、年収が低いこと、、、こんな感じでしょうか。

これらをアドラー心理学では他人という存在がいてその他人と比較するから生まれる悩みであると考えます。

身長が低いことは周りの友人や同じ日本人の平均身長などを比較することで生まれる悩みでしょう。これは対人関係により生まれる悩みです。

容姿に関しても過去に恋愛をする、つまり対人関係においてできた悩みでしょう。

頭が悪いことも学校のテストの成績を他人と比較したから。年収が低いことも年収が高い人間と比較したからということになります。

そして今あげた悩み、つまり劣等感というのは客観的なものはなく主観的な話でしかないということです。

先ほどの例に当てはめてみましょう。

低身長であるということは”他者を威圧しない”であったり”癒し的存在になる”という点においては長所に長所になり得ます。

容姿についても同じです。かっこいい顔でなかったとしても例えばそれがコワモテであれば他者から舐められずに済むかもしれませんし、不細工であればそれを笑いにするという面では武器にだってなり得るのです。

頭が悪いことはそれを武器に可愛がられたり笑いに変えたりすることだってできますし、年収が低ければそれを上げるために新たな転職したり副業を始めたり新たな可能性に出会うチャンスになりうるのです。

このようにアドラー心理学では全ての悩みは対人関係にあると銘打った上でその悩みや劣等感は主観的な話で、他人は気にもしていないと主張するのです。

こう具体例を挙げてみるとアドラー心理学の考え方に納得してしまいますよね。

他者の課題を分離せよ

今回のこの本の中で私ゴンザレス自身が一番強く心を打たれたのがこの他者との課題を分離せよという部分でした。

これはつまり自分でどうにかできる範囲のことと、他人に委ねることしかできない部分を別々で考えて自分ができる範囲のことのみに集中しましょうということです。

他者の課題に土足で踏み入ること、これは対人関係のトラブルを生むだけである。と本書では語られています。

また例を挙げてみれば、勉強しない子供とその母親がいるとします。一般的に母親は子に対して「勉強をしなさい」と諭したり叱ったりするでしょう。そしてそれは一般的に子供が将来苦労しないようにであったり、いい成績を残し良い学校に進学し…ということを考えた親の優しさであるように思えます。

しかし本書では「勉強しなさい」と命じるのは他者の課題に土足で踏み入る行為であるからやめなさいとそういうのです。

つまり『勉強すること』という課題は子供にあり、その子が将来苦労したりクラスの勉強についていけなくなることはその子の責任であると本書は語ります。

そして親の「あなたのためを思って…」というのはそれは実は自分のエゴであり実際のところ、世間体であったり見栄や支配欲からきているのだと語ります。

ただ放任主義をしろというのではなく、勉強の必要性を語り、子供が意欲的になった時にサポートするということを伝えるべきだと語るのです。

またこの章では”他者はあなたの期待を満たす為に生きているのではない”ということも語られています。

つまり承認欲求を捨て、自分の為に人生を生きろということです。

これは傍若無人に振る舞えということではありません。他者の評価を軸に生きてしまうと、どうしたら褒められるか、どうしたら叱られないかということばかりに目を向けて生きていくことになります。

それでは自分の人生を生きていろとは言えません。これは現在の賞罰教育が原因だと考えられていますが、その考え方を捨てることこそ自由であるといいます。

他人からの評価を気にせず、自分の人生を自由に生きていく。それはすなわちタイトルにもあるように嫌われる勇気を持つということになるのです。

おわりに

ここまでで自分が大事だと感じた三章をピックアップしてまとめましたがこの本は五つの大きな章に分けて話されています。

そしてここでは解説しきれないくらいの多くの読むべき内容が含まれていますのでぜひ気になった方は読んでみてください。

また、このブログではゴンザレス自身が気になったことを徹底的に調べ解説していきますので是非よろしくお願いいたします!

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